ようこそ、ウェール街

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「ふぅ……いやさ、僕たちにも悪気があった訳じゃないんだよ?前に街でティアちゃんと絡んでるのを見て、面白そうだから素性を調べてたらウチの教師になるって話が急に決まったって情報を入手してね?僕達が副担任に任命したも同然だったから、もしものことを考えて力試しにきたんだよ」 深いため息をした男は何かを諦めたように肩の力を抜くと話出す。 話の内容が進むにつれ、ティアの顔が引き攣って行くのが良く分かる。 「じゃあ、なにか?コイツが私の副担任もどきになったのはお前達のせいということで良いんだな?」 「……いや、でも決定したのは教育機関であって僕たちじゃない。僕達はあくまで『お願い』しただけであって、決定はしてないよ。だから僕達に責任は一切無い!」 「国の重鎮達以上の……私達レベルの権力を持ってるお前達の『お願い』なぞ、言われた側は絶対遵守の呪いだ!よくもまぁ、抜け抜けと――」 「じゃあ、聞いてみれば良いさ。僕達は、学生として教育機関に乗り込んで、担当の人にただ彼を担任にしてくれ、と『お願い』しただけだから!脅迫したいな言い方は止めてくれないか?人聞きが悪い。もしも彼らが僕達が脅迫したと言うならば潔く謝罪しよう!」 「ぐぅ……」 無論、教育機関の人達も馬鹿では無いだろう。彼らがしたことはあくまで『お願い』。これに間違いは無いのだろう。しかし、その『お願い』は受諾されてしまった。それを脅迫と言えば、確かに男達は素直に頭を下げるだろう。だがそれは、機関の人達にとっては死刑宣告。自分たちで自分の首を絞めるようなもの。当然、ただ学生が『お願い』をしに来たと言うだろう。 故にティアは口を閉ざす。勝てない勝負だと分かってしまったから。 「ふむ……」 込み入った話みたいなので黙って観察していたけど、どうやら話はまとまった(?)みたいだ。それにしてもアイツは口が上手いな……
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