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「領主さまー、カーネルさーん!宜しくなー!!」
「感謝しまーす!」
「ウチのパン言ってくれたら何時でも差し入れしますぜー!」
それを皮切りに領民たちがワイワイと騒ぎ始める。
「話も終わったし、解散としますか……ティア、今日はありがと。ウチに寄って行かない?手伝ってくれたし、お茶くらい出すよ?」
「そうだな、御馳走になるとしよう。お茶菓子も出してくれるのだろうな?」
「あはは、もちろん。手軽に作れるもので良かったら」
まだ昼過ぎ。領民がそれぞれ各自の生活に戻って行くのと同じように俺達も家に向かって歩いて行く。
「何か買って行った方が良いんじゃない?もう色々と作ってる所もあるみたいだし」
「……アリス?」
何でここにいる?カーネルさんのところに戻ったんじゃないのか?
ちなみにカーネルさん達の住み家は、未開の地を見せると、自分達で出来るから安心してくれ、と素直に言われてしまったため錬金術(笑)で家を創り出すのを諦めた。
「な、なによ……私がここに居るのが可笑しいとでも言うの?」
「いや……カーネルさん所に戻らないの?折角、復縁したんだから家に戻らないの?」
「私は貴方のメイドよ?……っていうのは建前で、私はここに居たいから残るの。問題ある?」
屈託の無い笑みで、そう言い放ったアリスの顔は、スッキリしたような憑き物が降りたようだった。
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