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「なに赤くなってるんですか……まぁ、試用期間中ですし、辞めるなら止めませんけど」
そんな純粋な笑顔を見て、俺は知らず知らずのうちに赤面していたらしい。
そんな俺をジト目で見て溜息を吐くミカちゃん。
「私から辞めるなんて言わないわ、ミカちゃん。それにね……負けるつもりも無いわよ?」
「はっ?何にですか?言ってる意味が分かりませんが……」
相も変わらずミカちゃんはアリスに対して刺々しい。
「何となく気付いちゃったのよね……ミカちゃんも―――」
家のすぐ前で刺々しい態度で喋るミカちゃんに対して今までに無い余裕な様子のアリスは、ミカちゃんの耳元まで近付き、俺には聞き取れない声で何かを呟いた。
「――なっ!?」
「あら、やっぱり図星?……うふふ、お互い頑張りましょうね」
「お互いってどういう――えっ!?」
珍しく慌てているミカちゃん。こんなにミカちゃんを動揺させられるなんて、アリスはどんな呪文を使ったんだ?
「大丈夫、ミカちゃん?」
「え、あっ……はい。大丈夫です。アリスさんが家に入ったことですし、私達も入りましょう。今日は疲れました……学園ってすぐに始まるんですよね?それの準備もしなきゃいけませんし」
ミカちゃんは何処か慌てるように家の中に入って行く。学園の準備についてはティアの手伝いもあって、それ程手間取らずに準備を終了することができた。
準備の後、ホットケーキと紅茶を皆に御馳走した。どうやらホットケーキは此方では無い物らしく、皆美味しそうに食べてくれていた。
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