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「そうですよね。普通の魂は、こんなところ来たら消滅しちゃうはずですもんね」
そして、もう一人。後に話しかけて来た子だ。
真っ白い温室育ちでもしたかのようなシミ一つない純白の肌で透き通るような腰近くまで伸びた金髪。儚げなその笑顔が保護意欲を掻き立てる。草原のお嬢様のような、前者とは全く違う美少女。服装はこれまた純白の肌とは対照的な真っ黒のワンピースを着ている。
それ以前に―――
「何それ?」
俺は恐れることも無く、少女たちの背中から生えているものを指す。
黒髪の子の背中からは、コウモリのような漆黒の翼、骨盤辺りからは先が矢印のような黒い尻尾が生えているように見える。
金髪の子の背中からは、純白の翼、頭の上には輝く輪があるように見える。
まるで、悪魔と天使。
「これか?これはウチらの象徴だよ!ちなみに着脱自由~」
そう言うと、黒髪の少女は一回転した。すると、さっきまで生えていた翼と尻尾が綺麗に消えていた。
「マジで!?」
「取れるわけないじゃないですか!見せたり見えなくしたりすることが出来るだけです」
呆れるように金髪の少女は説明を訂正する。
「なんだ……っていうかさ、君達って、もしかしなくても天使と悪魔?」
真実が定かになったところで、俺の中での一番の疑問。現状で一番聞きたかった話題を切り出す。
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