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「何か面白い事でも起こらねえかな…」
ガンマが詰まらなそうに、伸びをしながら呟く。
「そうだね~…謎の人物とか~、高ランクの魔物とか~」
シータは冗談半分笑いながらでガンマに反応する。
「…まぁ、暇なのは認めるわ」
シャウラは気の強そうな光を灯した目を周囲に向ける。
周りの生徒も自分達のように、暇を潰そうと談笑している。
そこには、戦場の緊張感など存在していなかった。
「…!?」
だからである。シャウラだけが遠目に見た、崖の上を駆ける影の存在に、誰も気付かなかった。
「今、何か…」
「どうした?」
戸惑った表情で呟くシャウラに、ガンマが声をかける。
「崖の上に…何か居たような…」
シャウラは自分自身に確認するように呟く。
「シャウラ~、一応報告しておく~?」
不審人物が現れた、それも国を守る門の近くにともなれば、兵士に伝えなければいけないだろう。
「…報告しに行くわよ」
ここには教師やギルドの者も配備されている。気づいた者は他にもいるだろうとシャウラは思い、一応の報告に向かった。
†††
「だから、魔力の反応も何も無かったんだ、気のせいだ」
近くに居たギルドの者に報告に来たシャウラ達三人は、報告に手間取っていた。
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