襲撃と出会い

3/19
前へ
/110ページ
次へ
「何か面白い事でも起こらねえかな…」  ガンマが詰まらなそうに、伸びをしながら呟く。 「そうだね~…謎の人物とか~、高ランクの魔物とか~」  シータは冗談半分笑いながらでガンマに反応する。 「…まぁ、暇なのは認めるわ」  シャウラは気の強そうな光を灯した目を周囲に向ける。  周りの生徒も自分達のように、暇を潰そうと談笑している。  そこには、戦場の緊張感など存在していなかった。 「…!?」  だからである。シャウラだけが遠目に見た、崖の上を駆ける影の存在に、誰も気付かなかった。 「今、何か…」 「どうした?」  戸惑った表情で呟くシャウラに、ガンマが声をかける。 「崖の上に…何か居たような…」  シャウラは自分自身に確認するように呟く。 「シャウラ~、一応報告しておく~?」  不審人物が現れた、それも国を守る門の近くにともなれば、兵士に伝えなければいけないだろう。 「…報告しに行くわよ」  ここには教師やギルドの者も配備されている。気づいた者は他にもいるだろうとシャウラは思い、一応の報告に向かった。 ††† 「だから、魔力の反応も何も無かったんだ、気のせいだ」  近くに居たギルドの者に報告に来たシャウラ達三人は、報告に手間取っていた。
/110ページ

最初のコメントを投稿しよう!

180人が本棚に入れています
本棚に追加