プロローグ

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 都会初心者の俺、御田秋悠太(ミタアキユウタ)はたぶん都会生活を満喫している。  それは他の人から見て微妙なものだとしても、俺自身が満喫してるんだからまぁいいんじゃないだろうか。  たとえば、中学生のときに告白された女の子と同じ高校になったり。少し異質だけど可愛い女の子に絡まれたり。これらは男子高校生にとって青春の極み。  そして今現在、安アパートの一室で、少々奇妙な女の子と暮らしている。  奇妙の度合いで言うと、カボチャの種を植えた畑から、キャベツが実ったりするくらい奇妙なのだ。そのキャベツの犯人は気分で種を植えた父さんだったけど、この女の子の奇妙さは原因が見つからないから拭い去ることができない。  狭いアパートで女の子と2人きり。聞こえはいいけど、現実とのギャップが著しい。  言えることがあるとすれば、この奇妙な女の子がとにかく面倒くさい生き物であること。加えて残念なことに、俺はこの女の子の飼い主なのだ。
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