2.ⅩⅢの魔術師

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「えーと、お金?」 「やけに現実的見解だな。そうじゃない。生存の基本は栄養の摂取、つまり食事だ」 「うぇ……まさか」 「食べようとしていたのさ。空腹を満たすためにな」  あの無数の牙に咀嚼される自分を想像して、わたしは目眩を覚えた。  しかもその怪物はまだこの街のどこかで生きているのだ。  直ぐに襲われることはないと思うけど、あんなのが徘徊する街で安穏と暮らせる訳がない。  どうしよう。……引っ越し? いやいや、そんなの親が認めない。妖精に襲われるなんてこの歳で言えるか!  じゃあ家出……。それも却下。家族や友達を置いて逃げるなんて出来ない。  いったいどうしたらいいの?  わたしが葛藤で悶えていると、レイオットが救いの言葉をかけてきた。 「心配することはない。お前には俺という最強のボディーガードがつくのだからな」
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