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「えーと、お金?」
「やけに現実的見解だな。そうじゃない。生存の基本は栄養の摂取、つまり食事だ」
「うぇ……まさか」
「食べようとしていたのさ。空腹を満たすためにな」
あの無数の牙に咀嚼される自分を想像して、わたしは目眩を覚えた。
しかもその怪物はまだこの街のどこかで生きているのだ。
直ぐに襲われることはないと思うけど、あんなのが徘徊する街で安穏と暮らせる訳がない。
どうしよう。……引っ越し? いやいや、そんなの親が認めない。妖精に襲われるなんてこの歳で言えるか!
じゃあ家出……。それも却下。家族や友達を置いて逃げるなんて出来ない。
いったいどうしたらいいの?
わたしが葛藤で悶えていると、レイオットが救いの言葉をかけてきた。
「心配することはない。お前には俺という最強のボディーガードがつくのだからな」
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