2.ⅩⅢの魔術師

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「え、それって……」 「そのままの意味だ。俺がお前の身を護ると言っている」 「本当!?」 「ああ」  なんということだ。わたしはこの青年のことを勘違いしていたかもしれない。  高慢で変人で性悪な銃刀法違反者だと思っていたが、今は輝く聖人君子に見える。 「今日はもう遅い。襲われる危険もあるし家まで送っていこう」 「うん。ありがとう、レイオット!」 「なに、礼には及ばんさ。こちらも良いカモを見つけたことだしな」 「?」  この時点では、わたしにはその言葉の意味を正しく理解できる筈もなかったんだ。
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