3.守護の魔術師

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「え、じゃあ止めたら死んじゃったりするの?」 「そもそも〝止める〟という選択が出来ないがな」  ……何だか随分窮屈に生きてるなあ…… 「ふーん、何か大変だねえ。ところでさ、レイオットの本質って何なの?」  本質は一人一人違うものらしいが、レイオットの言う厄介な本質とやらの中身は何なのだろうか? 「俺の本質はな……」  言いかけた所で言葉を切ると、レイオットは前方を睨んだ。  線路下のトンネルに入りかかった所でレイオットは立ち止まったのだが、先が暗くてわたしには何も見えない。 「レイオット?」 「下がっていろ」  不思議に思い尋ねると、厳しい口調が返ってきた。 「意外と早かったな」  そう呟く彼の口元は微かに笑っており、その瞳は活き活きと輝いていた。  狩人の目だ……  わたしは思わず息を飲んでしまう。
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