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「しかし短期間でよくここまで繁殖したものだ」
通路の上にはいつの間にかさっきの怪物が立っていた。
大きな狼のような体を持ったソレは、暗闇の中で赤い目を光らせている。
だが、闇夜に浮かぶ赤い光は二つだけではなかった。
数えきれない程の光源が全てこちらに向けられていた。
「な、何この数……」
絶句した。
さっきみたいな怪物は一匹だけではなかったのだ。
地面を埋め尽くす程の異形が荒々しい殺気を放っている。
確かに怖いんだけどもこうも密集してると、なんというか……キモい……
「こんなたくさん街にいたなんて……」
「いや、元は先程の一匹だけだった筈だ。中途半端に傷を負ったせいで、〝生存〟に従い数時間で繁殖を繰り返したんだろう」
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