3.守護の魔術師

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「しかし短期間でよくここまで繁殖したものだ」  通路の上にはいつの間にかさっきの怪物が立っていた。  大きな狼のような体を持ったソレは、暗闇の中で赤い目を光らせている。  だが、闇夜に浮かぶ赤い光は二つだけではなかった。  数えきれない程の光源が全てこちらに向けられていた。 「な、何この数……」  絶句した。  さっきみたいな怪物は一匹だけではなかったのだ。  地面を埋め尽くす程の異形が荒々しい殺気を放っている。  確かに怖いんだけどもこうも密集してると、なんというか……キモい…… 「こんなたくさん街にいたなんて……」 「いや、元は先程の一匹だけだった筈だ。中途半端に傷を負ったせいで、〝生存〟に従い数時間で繁殖を繰り返したんだろう」
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