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怪物が生存を危惧する程の傷……
そういえばさっきレイオットにバカスカ撃ち込まれてたな……って……
「あんたのせいかっ!」
「黙れ。お前が邪魔で本気を出せなかっただけだ、ミニマむす……」
「だから、小さい言うな!」
思わず声を荒げてしまったけど、それが怪物たちを刺激したらしい。
50はいるであろう怪物の大群が突進してきた。
「きゃああああ!」
悲鳴を上げたわたしとは対照的に、レイオットは落ち着いた動きでコートの内側から白銀の大型拳銃を取り出す。
「少し血気に逸り過ぎじゃないか? 人様に噛み付く狂犬にはキツイお仕置きが必要だな!」
そう言って銃を構えてから先頭の怪物が吹き飛ぶまでの間はまさに一瞬だった。
レイオットは立て続けに連射しながら、無謀にも怪物の群れに突っ込んでいく。
群れは一個の生命体のように蠢く壁を成している。
あんなのに飛び込んだら……!
両者が接触する瞬間、わたしは思わず目を逸らしてしまう。
しかし聞こえてきたのは予想に反したものだった。
銃声、獣の悲鳴、砂袋を殴打したような鈍い衝撃音、そしてまた銃声。
その連続が絶え間なく聞こえてくるのだ。
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