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(どうする…もう一枚いくかYO?)
(いや、レコードも本も限りがある。無駄打ちは出来ないから、私がいくとしよう)
そう言ってコンビニは木の影から姿を現すと、男に向かって歩み寄った。
二人は肉切り包丁がギリギリ届かない距離で立ち止まってにらみ合った。
「あんた…職業は?」
「私はコンビニだ。君は?」
「俺は表の職業は肉屋さ…」
「表…?」
「おっと…それ以上は聞かない方がいいぜ?いきなりリタイアしたくはないだろう?」
(コイツ…運営側の刺客?)
「あんたがコンビニって事は、他に二人いるんだろう?コンビニじゃレコードや大技○は置いてないだろうしな」
「ふっ…」
「何がおかしい?」
「舐めてもらっては困るな…コンビニエンスの名を…!!」
コンビニは一気に間合いを詰める。
肉屋は虚を突かれたものの、すぐに反応して包丁を片手で振り下ろした。
ゴォォォン!!
コンビニは包丁の側面に手を当てて左側に逸らし、包丁は地面のコンクリートを砕いた。
コンクリートの破片が頬に当たるのもモノともせず、コンビニは左の掌を先ほど大技○をぶつけられた左肩に触れた。
「ぬおぉぉにぎり暖めますかぁぁぁ!!」
そのまま力を込めるコンビニ。
肩口からの突き出しと捻転で力を伝える。
「ぐぁぁ結構ですぅぅ!!」
触れただけにしか見えない一撃で、肉屋は包丁を地面にめり込ませたままで後退りした。
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