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コンビニは無表情なままで肩を抑える肉屋を見下ろしていた。
それは肉屋にとって屈辱に他ならない。
肉屋は包丁をブンブン振り回し、敵を斬りまくるイメージしかなかったのだから。
まさに肉屋無双状態を想定していた。
いや、それ以外は有り得なかった。
「たかがコンビニが…こんな力を…!?まさか貴様は第七帝国のっ!?」
「仰っている意味は全くわかりませんが、リタイアなさった方がいいのでは?こちらは一人ではありませんし、武器を失ったあなたに勝ち目はない」
「ぐぅ…その気に食わない話し方は、やはり奴らの一員のようだな…。ならば本気を出さねばなるまい」
そう言って革の上着を脱いだ肉屋はドクロのTシャツ姿になった。
(ダサい…)
(ダサえ…)
(ヤダかっこE)
「見るがいい…この右腕を!!」
その右腕には黒い虎のタトゥーが描かれていた。
(え…)
(え…?)
(ヤダかっこE)
「見せてやろう…右腕の黒虎の力を解放した俺の力をぉおぉう!!」
力強く大地蹴った肉屋はまるで虎の如き低い態勢でコンビニに襲いかかった。
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