5人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
(この距離ならば…いける)
最悪でも逃げる事は可能だろうと踏んだレコード屋は、レコードを構えたままで後退り始めた。
「本屋さん…本を一冊ください」
「は…はい」
本屋はガタガタと震えながら、コンビニに飛び出す絵本を渡した。
「ふむ…不思議の国のアリス。出来れば雑誌が良かったですがいいしでしょう」
中を開くとハートの女王の城が飛び出した。
「バカめっ!!去ねやぁぁ!!」
「ぬるいっ!!てりゃあ」
素早く本を閉じたコンビニは、レコードを叩き落としながらジャンプした。
高い。
それがレコード屋が思った最後の言葉であった。
最初のコメントを投稿しよう!