『戦いは女の仕事』

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ここは島の西部の湾岸地帯。 その海岸線に太陽が沈もうとしていた。 スタートからは既に数時間が経過していた。 二人目のリタイアが出て以降、あちこちで戦いが行われ、既にリタイア者は五名に達していた。 古書店、レコード屋、和菓子屋、18禁ショップ、漁師の六名だ。 店たちには出場選手の正確な数は知らされていない。 隠している訳ではないが、情報を自ら得る事こそがサバイバルであり、その情報の差は決定的な力の差を埋める手段になるからだ。 現在、ほとんどの店は家屋の中や森などに隠れ、身を潜めている。 武器、食料の確保のため。 罠を設置して迎撃するため。 一週間という長丁場を想定してのベース作り。 そして… カランカラン… 「あら、いらっしゃい」 自らのアイデンティティを保つため。
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