『老獪vs豪腕』

2/11

5人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
魚屋はスタート寸前に審判に詰め寄った。 どう考えても猟師は商店街バトルロワイヤルの主旨に合わないと。 すると審判はこう言った。 「彼は猟で得た肉で焼き肉屋をしているので問題ない。何よりスナイパーがいないとつまらないでしょう?ゴム弾を使うから安心してください」 そういう問題かよ…と思った魚屋だったが、周りの店は口を出さない様子を見て諦めた。 ルールではスタートから一時間は攻撃が禁止されている。 それぞれがバラバラに散ることで、より戦いを面白くするためである。 それぞれの位置はスタジアムのモニターに映される地図に表示されており、失格になると地図の光点が消える。 店たちはあちこちに散らばって行った。 ある者は共闘を持ちかけ、ある者は隠れて弱そうな相手を尾行し、ある者は建物に隠れた。 そんな中、古書店の老人は自分の店に似た小さな本屋を見つけ、そこを拠点とすることに決めた。 そんな老人を見つめる影が一つ………
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加