『老獪vs豪腕』

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そんな男がいるとは露知らず、古書店は店内に入ると、棚を触ったり、本を眺めたりしている。 「くっくっくっ…あんなジジイなら簡単にやれる…」 男はほくそ笑むと腕時計を見た。 スタートまであと20分ほど。 速攻で一人を倒す。 その勢いで敵をなぎ倒して優勝する。 男の脳内では幸せな妄想が繰り広げられていた。 20分後、古書店はカウンターに座ると本を開いて読み始めた。 それと同時に、 ブァーブァーブァァァァァ!! フィールドにブブゼラの音が鳴り響く。 戦闘開始の合図だ。 「よし…行くぞ!!」 男は隠れていたポリバケツから出ると、商売道具の指を鳴らした。 男の職業はマッサージ師。 その両腕は見た目以上に鍛え上げられている。
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