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総希「思ったより遅くなってしまったわ…早く帰らないと千景様が心配する」
私はボソリと呟き足を速めた
近道をしようと角を曲がろうとすると不思議な気分になった
まるで空中を飛んでいるような感覚
しかしそんな気分は角を曲がりきる頃にはなくなっていた
軽く首を傾げてから歩ていると違和感を感じた
理由はすぐにわかった
それは目の前にある光景が私の知っているものではないからだ
総希「ここは…どこ?」
声を出すべきではなかった
「う゛ぁぁぁぁあ……ぐぎゃぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛」
白い髪に赤い目の男達がこちらにジワジワと迫って来た
「ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛っぐひゃぁあ」
現代の日本ではありえない容姿をした人達
いや、人と言えるのだろうか?
ま る で
そ れ は
鬼の成りそこないである
――――羅刹のようだ――――
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