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「ふぅ…」
火を灯した煙管から上がる煙がゆらゆらと風に揺れる。戦争に勝利したにも関わらず、日本は深い痛手をおった。これからやり直すのに時間がかかりそうだ。
「お疲れさん」
「奏馬(カナメ)…」
軽く肩を叩かれたと思えば、知っている声が頭上から降ってきた。コイツは同期の奏馬京次郎(カナメ キョウジロウ)。小さい頃からいつも一緒にいた…所謂幼なじみと言う奴だ。
「奏馬……ねぇ。ガキん頃は京ちゃん京ちゃんっつって俺の後ろに引っ付いてたくせn」
「嘘をつくな嘘を。お漏らししながら私の服を掴んで泣きながらひとちゃんひとちゃんと言っていた糞ガキは誰だ」
「すいませんでした」
「ふんっ」
こんな冗談を言えるのも、この大きな戦争が終わったからであろう。何だかほっとした。
あぁ、自己紹介が遅れた。私は第日本帝国副司令官及び第五班長の黒澤瞳(クロサワ ヒトミ)だ。以後よろしく。あ、後名前で呼んだら殺す。
「しっかし…まぁ、何だ」
と、奏馬が口を開いた。心が繋がっている訳でもないのに、何故か奏馬の口から次に出てくる言葉が分かった。同じ気持ち、なのだろうか。
「これから、また頑張ろうな」
「……あぁ」
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