時。

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扉はゆっくりとバタンと閉まる。 僕が入るとさっきまで暗闇だった中が激しい光輝きだした。 僕の体は光に包み込まれた。 瞼をそっとおろし目を瞑った。 きっとこれには何かがある。 まだ知れぬ世間一般では考えられない不可思議な何かが。 今の僕は子どもみたいに期待を胸に抱いていたと思うんだ。 きっと恐怖感はなくなってしまっていた。 ――…… 僕は目を開けた。 そこは先ほどとは違い見慣れた景色。 「カレーの匂いがする」 ここはそう、僕の家の居間である。
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