10人が本棚に入れています
本棚に追加
「あら?誰かしら。
ちょっと拓也でてくれない?」
母さんの変わらないセリフを聞いて僕は驚きを隠せなかった。
「出たら駄目だよ!危ない!」
「何言ってるの。
危ない訳ないじゃない。早く出て」
慌て止めようとしても母さんは笑っていた。
母さんは僕の思ってることなんて知る由(よし)もなかった。
「絶対駄目だって!」
僕は大きな声を出した。きっとあいつだ。
出たらまた殺されるんだ!
痛みが体中を走った気がした。
「もうお母さんが出るわ」
呆れたように母は呟き、殺人犯のお客がいる玄関へ足を運んだ。
最初のコメントを投稿しよう!