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僕は母さんの後を追った。
「殺されるって!」
いくら説得しても母さんは僕の言葉なんて聞く耳を持たずに玄関を開けた。
「あら、いらっしゃい」
そこにいたのは大男ではなく女の子だった。
僕がよく知る子である。
予想外のことに僕は愕然とした。
「おばさん、こんばんは。たーくやっ、誰に殺されるって?」
少女は笑いながら言った。
なんと僕の大声は外まで聞こえていたようだ。
少し恥ずかしいな……。
「夏希、どうしてここに来たの?」
当然の疑問である。
大男ではなく夏希が目の前にいるから。
……夏希は僕の幼馴染みで、かれこれ16年の付き合いである。
別に僕らは付き合ってる訳ではない。
特別な感情とかもなくただ仲がいい。
関係は友達以上、恋人未満といったところだ。
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