10人が本棚に入れています
本棚に追加
僕はすぐさまインターホンを押した。
「頼む……出てくれ」
手遅れなんて嫌だ。
幼なじみには無事でいてほしい。
僕がそう祈っていると声がした。
「拓也?」
それは玄関からではなく二階の窓の方からだった。
僕が見上げると夏希は首にタオルを巻いていた。
「何だ……風呂に入ってたのか……」
それもそうか。
僕だってさっきまで風呂に入ってたし夏希だって入るだろう。
行き過ぎた考えに恥ずかしくなってしまった。
「どうしたの?
電話もいっぱいしてるし……」
「あ、いや……話したいことがあって」
僕は夏希に目も向けず独り言のように言った。
最初のコメントを投稿しよう!