時。

5/49
前へ
/79ページ
次へ
ドアを開けると見知らない熊みたいに大きな男が立っていた。 茶色の四角い鞄を持ち、黒のスーツ姿だ。 ただセールスマンのような感じは見受けられない。 「あの……どちら様ですか?」 人見知りもあって恐る恐る僕は囁くように掠れた声で聞いた。 「こちらのお母様の知り合いでして。今いらっしゃいますか?」 「あ、はい。少し待っててください」 異様な雰囲気に戸惑いつつ 僕は母さんを呼びに行くことを男の人に告げた。
/79ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加