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ドアを開けると見知らない熊みたいに大きな男が立っていた。
茶色の四角い鞄を持ち、黒のスーツ姿だ。
ただセールスマンのような感じは見受けられない。
「あの……どちら様ですか?」
人見知りもあって恐る恐る僕は囁くように掠れた声で聞いた。
「こちらのお母様の知り合いでして。今いらっしゃいますか?」
「あ、はい。少し待っててください」
異様な雰囲気に戸惑いつつ
僕は母さんを呼びに行くことを男の人に告げた。
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