長距離移民船団

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(旗艦ゲルダート7) 「宇宙怪獣の群れが、通り過ぎました」 女性オペレーターが、加藤光昭参謀長に報告した。 加藤光昭中佐は、かつてタケトーフェバット帝国大将軍と共に、大戦中は独立遊撃隊ヒューベリオンに所属し、名実と共に今や伝説に名を連ねる軍人となっていた。 「ああ確認した、しかし初めて見るタイプの宇宙怪獣だな・・・・」 頭皮以外は、父親に似てきた光昭中佐は、顔にヒゲをはやしており、風格が漂っていた。 「確かに・・・・データにありませんね」 「ああ、タケトー船団長に一応報告を入れよう」 光昭中佐がそう言って、オペレーターを見た。 「そうですね」 オペレーターが光昭中佐に答え、すぐさまデータをまとめた。 (ゲルダート7船団、7学院) Gシティにある、ゲルダート7船団7学院は、総合的な学校であり、多彩な学部があった。 今回、ゲルダート7船団船団長、タケトー大将軍は、特殊部隊隊長、ストライクバード大隊の小野田章中佐と共に、パイロット科の視察に訪れていたのだ。 「なるほど・・・・」 タケトー大将軍が、パイロット科の視察をしながら呟いて章を見た。 「さすが竹の船団だよ、下部の教育体制はバッチリだね」 章が笑いながら、質の高い教育体制を誉める。 章もまた、前大戦にてタケトー大将軍達共に、戦場を駆け抜けたエースだった。 「誉めたって、何にも出ないぜ章・・・・・・」 「まったく期待してないから、大丈夫」 章が笑いながら、タケトー大将軍に答える。 「まったく・・・・少しぐらい、お前は上層部に媚びることを学ぶ・・・・」 「まったく強引マイウェイのお前に、言われたくないね」 「・・・・」 タケトー大将軍が、頭をかきながらリストに目を移す。 「そういえば、ガイの娘がパイロット科にいるんだったな」 タケトー大将軍が思い出したように、章に尋ねた。 ガイ、彼の名前を知らない者は、フェバット帝国と地球にはいないとまで言われる、伝説のパイロットだ。 彼もまた、タケトーや章達の戦友であった。 その彼の娘が、Gシティの学校に通っていたのだ。
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