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「しかしさぁ・・・・・・よく、ガイの奴・・・・娘を一人でゲルダート7船団に行かせることを許可したよなぁ・・・・・・」
章がそう言って、タケトーに尋ねた。
「ああ、何でも娘が軍人になるとゴネたらしく、パイロットではなく、艦内勤務を目指すよう、俺の艦隊に留学させたらしい」
「ふーん、じゃあなんでパイロットコースにいるの?」
タケトーの説明に、当然の疑問を章が口にした。
「いやぁ・・・親元を出たのが、災いしたんだろうな・・・・・・自由にパイロットコースに鞍替えしたんだよ」
「竹、お前が止めろや・・・・一応、ガイから娘を預かる身なんだからさ」
章が溜め息混じりに、タケトーに正論を述べる。
ちなみに、章など昔からタケトー大将軍と付き合いのある人間は、みな彼の事をあだ名で読んでいる。
「いやぁ・・・・・彼女を見ていると、昔のガイを思い出してしまってなぁ・・・・・・ついつい俺のすべてを教え込みたくなるし、向こうも教えをこいてくるしね」
「ガイの奴、娘を預ける相手を完璧間違えたな」
二人がそう話していると、タケトーの胸元にある携帯が着信音を鳴らす。
「私だ・・・・・・・・・・」
タケトーが、携帯に出る。
「わかった」
タケトーの顔色が、少し変わり章に向き直った。
「章、ここを任せる・・・・・・すまないが、私はブリッジに戻る」
「ああ、わかった」
タケトーが急ぎ足で、ゲルダート7に向かった。
(ゲルダート7)
ゲルダート7のブリッジに、タケトー大将軍が戻った。
「光昭参謀長、すぐにデータを回してくれ」
「はい」
タケトー大将軍が、艦長の防止をかぶり、すぐさま自分の椅子に座る。
「確かに初めて見るタイプだ・・・・・・・・いや、これは・・・・」
タケトー大将軍が宇宙怪獣を見ながら、自分の顎に手を当てる。
「ハゲタカ・・?」
タケトーがそう呟いた。
(フェバット帝国)
2030年3月1日、タケトー大将軍のゲルダート7船団が宇宙怪獣に接触してすぐ、フェバット帝国にもその宇宙怪獣のデータが届いていた。
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