長距離移民船団

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「レヒト皇帝陛下、タケトー大将軍からのデータに、検証が取れました」 リグレス元帥が、レヒト皇帝に歩み寄り、データを渡した。 「ふむ・・・・・・フェバット帝国で、あの宇宙怪獣が確認されたのが、一度だけあるな・・・・・・・・通称宇宙ハゲタカ?」 レヒト皇帝が資料を見て、そう呟いた。 「ええ、それもフェバット帝国大繁栄時代に一度だけ・・・・・・・・それに、その記録を最後に、空白の機会が訪れています」 「ああ・・・リグレス元帥、地球連合軍の本間議長にも、この情報を伝えてくれ」 リグレス元帥とレヒト皇帝が、きな臭い匂いを感じながら、ゲルダート7船団への返信をした。 (ゲルダート7船団、Gシティ) 「ただいまー」 章が家に帰ってすぐ、靴を脱いで居間に上がった。 そして、そのままベビーベッドに歩み寄った。 「ただいま、嬉羅」 章がそう言って、ベッドで気持ちよさそうに眠る赤ちゃんのほっぺをつついた。 「あら、お帰り」 「瓜那、ただいま」 お風呂の支度をしていたのか、ズボンを膝上までまくり上げたままで、章の妻であるタイヤこと瓜那が章に声をかけ、いつものように夫の労をねぎらう。 「嬉羅は、順調に育ってるな」 「ええ、あなたの子供だもん・・・・・・・そうじゃなきゃ、びっくりだわ」 瓜那が笑いながら、胸を張るように章に答えた。 「そういえば、ガイの娘がパイロットになるんだと」 「へぇ・・・・・ガイさんのリオナちゃんが・・・・・」 「まったく、血は争えないよなぁ・・・・・・・あんなに、将来性を感じるパイロットは、久しぶりに見たよ」 章が苦笑いをしながら、近況を瓜那に伝えた。 勿論、ガイ夫妻の事は、瓜那も前大戦の戦友として知っており、二人の娘がゲルダート7に来ていることも聞いていた。 「でも、リオナちゃんは・・・・・・・確か、後方勤務のコースで、こっちに留学してたんじゃなかったの?」 「ああ、どうやらガイの過保護が、裏目に出ちまったらしい・・・・・いや、過保護はピニスさんか・・・・」 章が軍服を脱いで、椅子にそのままかけた。 「あ、お風呂ちょうどいいわよ」
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