~プロローグ~

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……普段であれば平和そのものを表した様な草原。やわらかい風が吹き、どこからか鳥のさえずりが聞こえてきそうな草原。 しかし今その草原は平和とは掛け離れた状態になっている。 どこを見回しても見えるのは地面に倒れた人間。ある者は体中に切り傷を持ち、ある者は火傷を負い、ある者は四肢が凍りついている。 しかし、誰一人として命を落としてはいない。そして同じ様に倒れている人ではない異形の生物たち。 この異形の生き物「魔物」と呼ばれる生物は、人々と同じ様な傷を負って倒れている。 ただ一つ、人間と違うのは草原に風が吹くたびに灰となって消えていく。 そんな誰から見ても「異常」である風景の中心に立つ二つの影。 ???「はぁ……余計な時間使ったな。」 ???「しょうがないよ。それより早く行こ。もうすぐ着くからさ!」 ???「ハイハイ。じゃあ行きますか……魔法学園とやらに」 二人はまるで何事も無かったのように会話をしながら歩みを進めていく。 残されたのは気を失った何百もの人間達だけであった……
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