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だから僕は人に対し、取り繕い続けました。
孤児だった僕は、家族など存在しません。
よって誰かに捨てられることは、死を意味しました。
それを恐れた僕は、周囲の人間に媚びを振り撒き
道化を演じました。
とりわけ外見にも恵まれていた僕は、人と上手く接することが出来ました。
そうして
人と接する内に、ある共通点を見つけました。
それは誰もが幸せを求め
また幸せという目的地があることを疑わない。
というものでした。
実に馬鹿馬鹿しく、愚かな事だと思います。
僕はそんな人生にほとほと嫌気がさしたのです。
ありもしないものを求め続ける人生に。
いえ、馬鹿な社会で生きる自分がかわいそうに思えたのです。
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