生涯を通して

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生は不可避で有るが故に、暴力性を持っている。 生を受けた瞬間から、既に母からの暴力は始まっていると言えるでしょう。 それは孤児である僕はよく知っています。 しかし生まれてすぐに捨てられた僕は、幸福がなにかあまりよく分かりません。 つまり 生きているのではなく、生かされているのだと思うのです。 言うなれば生きるために、生きているのだと思うのです。 目標は幸福でもなく ただ生を全うする それだけです。 どうでしょうか? 人生幸福なことより、不幸な事の方が多くはないでしょうか? 「幸せはいつも通り過ぎてから気づく」 と道端に転がっているホームレスは呟きました。 全くその通りだと、思わず笑ってしまいました。 さて問題です。 あのホームレスは'幸福'だったのでしょうか?
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