第16章 血に濡れる紅き軍馬

11/87
前へ
/1300ページ
次へ
相手は1人の少女だと、金縛りに陥っていた男達は自分達を叱咤し、 各々の武器を構える。 しかし男達の目には、唯の存在が自分達の何十倍も大きく映るのもまた事実。 「な、ナメるなぁぁぁ!!!」 1人の男がついに耐え切れなくなり、 持っていた木刀を振り上げ、唯に向かって行った。 「おらぁっ!!」 唯の脳天に向かって容赦なく木刀を振り下ろす男。 次の瞬間、オレは目を疑った。 ・・・・いや、言っとくけどオレ死んでないから。 某漫画のやられ役みたいな格好で倒れているが、 唯の威圧感がヤバくて起きれないだけだ。 唯は木刀の腹を掌で叩いて軌道を逸らし、 裏拳で肘を男の鳩尾に叩き込む。 唯の肘を喰らった男は、 泡を吹き、白目を向き後ろに倒れる。 あれ、おかしいな? 今のは刀を持った敵を相手にする日本の古武術。 それを何で唯が? 「「うぉぉぉぉぉ!!!!」」 1人倒されたからとはいえ、自分達はまだ何十人もいる。 それが支えとなり、男達は一斉に襲い掛かる。 何故か唯は自分に向かってくる男達に向かって駆け出す。 流石に危ないと思ったが、 唯は華麗なステップで男達の間を抜けていく。 男達は向かってくる唯に多少戸惑うが、 これを好機と見て各々の武器を振るう。 しかし唯はそれを全てかわしたので、 周りにいる仲間に当たり、同士討ちという結果に終わった。 そして唯は一番近くにいた男の後頭部を掴み、 顔面に膝蹴りを炸裂させる。 ちょっ、それマジ鬼畜。 それからは・・・・というか、 初めから唯の独壇場〔オンステージ〕だった。 空手、柔道、合気道、テコンドー、ボクシング、プロレス、 その他ムエタイやキックボクシング等など、 古今東西の格闘技を駆使して唯はバッタバッタと男達を倒していく。 なに、映画? 映画の撮影でもしてるのコレ? 「散々やってくれやがってこの女が!!」 男達が唯の周りを取り囲む。 その数およそ30人。 これは唯も危ないと思ったが、 それは杞憂に終わった。 唯はそんな状況にいるのも関わらず、 次に繰り出す技の構えを取る。 ここに来て、一層高まる唯の威圧感。 そして唯の手が多彩な動きを見せる。  
/1300ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25461人が本棚に入れています
本棚に追加