普遍的な風景

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ここはどこだろう… 僕は誰だろう… 何もわからない… ただわかるのは自分が見た事のない公園のベンチに寝ていたこと 寝ていた? わからない。 倒れていたのかもしれない… 太陽がポカポカ気持ちよい 春なのか? 公園を人がよく通る 皆僕の存在に気付いている ただ皆知らないふりをする それが痛いほど伝わってくるのが、少しおかしくも感じられる。 1時間くらいだろうか? それくらいの時間がすぎたように感じる よく映画で 主人公などが自分と同じような状況になると 必死に ここはどこか? 自分はだれか? 考えるが、僕はそれをしなかった。 いや、できなかったのか。 目を閉じるとTVの砂嵐のようなのが まぶたの裏に映っている。 「すいませーん」 ベンチの近くにサッカーボールが転がってきた。 それを拾って欲しいのか、少年が「すいません」といいながら近付いてくる。
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