7/8
前へ
/107ページ
次へ
    最初にここに来た用件を思い出し、パタパタと土方さんの机にむかう。       一一そこにはすっかり冷めたお茶。       頑張って煎れたのにな…         「あ…あははッ!冷めちゃったぁ!あたし煎れ直してくるー。」     何となく情けない気分になって、あたしは土方さんの顔が見られなかった。         小さく俯いたまま、慌ててお茶をさげようとしたら、土方さんがふと、あたしの手をとった。       「待てよ。」   「え…な、何?」       嫌だな。 早く行かせてくれないかな…。     所在無く視線をさ迷わせていると、あたしの手の中のお盆から湯呑みが消えた。         「…あ……。」    
/107ページ

最初のコメントを投稿しよう!

154人が本棚に入れています
本棚に追加