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俺は目が覚め、体をベッドから引きはがすように起き上がる。 5時55分だ。 最近、この夢を見るようになった。 「またかよー…。誰なんだよ。気味悪い…。」 と俺はボリボリと右手で頭をかく。 今日は早めに学校に行かなくてはいけないことを思い出し、俺は重い体を引きずるようにして部屋を静かに出る。 俺は短めの髪の毛に付いた寝癖を直すため、洗面所へ行く。 洗面所で寝癖を直し、歯磨きをし、顔を洗う。 びしょびしょの顔をタオルで拭いて俺は鏡の中の自分を見る。 「ふー…。情けない顔…。」 ボソリと自分の顔に吐いてやる。 親は2人ともまだ寝ているようだ。 さっきとは違い、しっかりとした足取りで静かに台所へ行き、冷蔵庫を静かに開ける。 電気のついていない、まだ薄暗い部屋の中で冷蔵庫だけはとても明るい。その中には彰用と書かれたメモと弁当箱とおむすびがちょこんと置いてある。 「…またこれかー。」 俺は少し文句を言いながらも左手でおむすびをわし掴みし、右手で弁当箱を持つ。 そして冷蔵庫を左側の背中近くで押し、閉める。 「よっ…と。」 バタン 俺は部屋に戻り、支度をする。着慣れた学ランの制服に着替え、スクバにはさっきのおむすびと弁当箱と財布を投げ入れ、筆箱と教科書類を確かめ、静かに玄関へ向かい少し早めだが、6時30分に家を出る。 「いってきます…」 誰も起きていない家に挨拶をして静かにドア開け、閉めた。 「…うわ、眩しいな。」 目の前に顔を出す太陽は、いつも変わらず俺の顔を照らす。 すこし歩きなれた駅までの道を歩く。 その間に俺用のおむすびをスクバから取り出し、かぶりつく。 朝は人も少なく、なんだか寂しい気分になる。
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