~もう一つの計画~

3/6
9人が本棚に入れています
本棚に追加
/22ページ
「頼みたいこと…とは?」 ルカリオは問う。 「…計画を実行したあとのことだ。」 「……?」 この時点で、誰もが疑問に思うだろう。 確実に、上手くいくように計画されているのだから。 しかしルカリオは、とりあえずアイクの話を聞くことにした。 「お前には、計画を実行したら倉庫まで来てほしい。」 「…何故だ?」 流石に、黙って聞いていることはできなかった。 計画に、必要な“道具”はなかったはずなのだから。 「…万が一のことを考えた末だ。…意味、わかるか?」 ルカリオは一瞬首をかしげたが、すぐに想像ついた。 「…日没までの誤差を考えた上…だろう?」 「その通りだ。」 いくら計画が上手くいこうと、時間や星を思い通りに動かすことはできない。 その“もしも”の時のために、計画を作ろうというのだ。 「だが、何故倉庫なんだ?」 「…もしもの時に備えた装置がある。もしそれを俺が取りに来たとき、あとから契約の間に行ってくれ。」 「…承知した。日没までに来なかったら、その場にいなくてもいいんだな?」 「そうだ。でも、その時はある奴と合流してほしい。」 「…“奴”?」 ここまでで、装置など、謎のものが出てきたが、それはまた別の話である。あえて、ルカリオは触れなかったが。 「ああ。そいつにはまだ何も話してはいないが、明日でもどうにかなる。ルカリオはそいつと合流して、俺が倉庫にくれば契約の間の中で援護してもらう。」 「…来なければ、中止を伝える…だろう?」 「流石だな。話が早くてすむ。」 ルカリオは、自分に任せられた理由がわかった気がした。 おそらく勘では、ネス達には勿論、誰にもこの話を知らせていない。 いろいろとあるのだろうが、一つの計画に集中してほしいのもあるかもしれない。 そして、最悪── マスターの足止めにも買って出る気でいるのだろう。 守るべきもののために戦う、そんな彼だからこその考えだろう。 ──それも、あえてルカリオは言わなかった。 「話はそんなところだ。悪かったな」 「別に構わない。」 今まではりつめていた雰囲気が、少しだけ変わった気がした。 ,
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!