星に行く舟

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うわあ おーい、純 ここここ! アセチレンガスの傍ら、頭に手拭いを巻いたオズマが手を振っている ひやあ なんなのこれ。 お前すんげえしみったれた祭りだとかゆってたべや わりいわりい(^ー^)なんか今年はなんだか賑わっちまってんな(^ー^) こーそくせんえんだから、盆帰省が多かったみてーでさあ。 で、なんなのお前。何してるわけ にいちゃん、俺のいちごまだかよ。 屋台の前に並んだガキが口を尖らせる。 おっ、わりいわりい。100円な。 うん(^ー^)なんか手伝うことになっちまって、あっちで待っててくれよ ・・・ オズマの手伝ってたかき氷屋以外にも、いくつか屋台が並んでる。 テキ屋っていうより土地のおばちゃんやおっさんがやっているっぽい、素人臭い屋台にそれでも子供たちが群がっていた。 オズマと知り合って数ヵ月 初めてこいつんちに遊びに来た 14日にギグあるんだ、行かね?と言う誘いに 14日かあ・・と首を捻った 何よ、なんか用事? うん。精霊流し し・・ 傍らでシャーペンで80のリズムを机に刻んでたペーヤンが口を挟む スミやんち、今年初盆やったっけ? ううん。違うけど。 精霊流し さだまさしの歌にもあるし、大きな事故や自然災害のあった年とかにTVで見たことがある。 灯籠に火を入れて川に流すあれだ。 ロックや女の子や、少し後ろめたいどきどきする遊び以外に このきんきら頭の奴を惹き付けるものに 興味があったし、そもそも逢いたくもねえ奴と顔を合わせる盆休みになんかうちに居たくなかったから 何気に 俺も行こうかな、と口にした。
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