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あれ?
オズマ?
傍らに居たオズマがいない
舌打ちをする。
またどっかのおばちゃんにチョッカイ出したから出されたか
また屋台だかなんかの手伝いに行ったんだろか
ま、ここにいりゃ戻ってく・・
びくりとそちらを見る
小さい女の子が俺のシャツをつかんでた
小学生だか、幼稚園児だか、
そんくらいの大きさだった。
周りを見回す
迷子かな。
俺はしゃがみこんだ
名前は?
パパとママは?
女の子は心細そうに見上げるだけだ。
困ったな・・
親なにやってんだ。それこそ海に落ちたりしたらこんなちっこい子、誰もわかりゃしねえぞ。
満潮なのか足元でもちゃぷんちゃぷんという波音が聞こえる
泣きそうな瞳に涙が膨らむ。
慌てて林檎飴を差し出す。
女の子は不思議そうにそれを受け取り、つやつやと赤いそれを見ていたが、にこりと笑って俺を見上げた。
わりいわりい!
なーにやってんだよ!
俺が悪態をつくかつかないかの刹那
オズマの方に女の子はぱあっと走り出した。
!
なんだ。
お前の知り合いか?
うん、まあな(^ー^)
色々手続きがあってな
オズマの浴衣の腰に抱き着く女の子の頭に手をやって奴は笑う
手続き?
さ、
時間だな
そろそろ行くか
行くって・・・
おい!
辺りにいた人たちが急に歩き出す。
こんなくそ田舎の、どっからこんなに人が湧いて出るんだ?
盆だからな(^ー^)
盆だからって・・・
オズマから離れまいとするが、どんどん離されていく。
雑踏にオズマの金髪が埋もれていく
おい、オズ・・
女の子が、オズマに肩車をされたのか、雑踏の上にぴょいと姿を現した。
そして俺を振り返って林檎飴を握ったままの手を振った。
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