第2章、保釈生活

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保釈生活1日目 保釈された私を親が出迎えてくれている。 閉鎖的な空間から解放された余韻に浸る暇もなく、私はすぐに気になっていた保釈金の事情を聞いてみた。 すると… 両親は払っていないようだ。 だとすると誰が? ミマモルノフか? 確かに彼とは最近コミュニケーションもとれ、気っ風のいいナイスガイだということがわかってきてた。 だとしても出稼ぎの彼に、こんな大金を払うことができるだなんて常識的には考えられない。 他に誰が…。 日鰹連(日本鰹鮪連合組合)か? いや、組織は2006年になくなっているらしい。 段ボール族か? 普段段ボールの彼らがまさか…。 検討もつかない。 親に事情を詳しく聞いてみる。 …なんと。 常連客の中にお金持ちがいて、その人が気前良く用意してくれたらしい。 彼は一言だけ残して用意してくれたという…。 「マグチャにはお世話になってるから、ムキョが払ってあげるぬ」 どこかで聞き覚えがあるような… 「もし、店が再開されることになったら激励しておかなければ」 私はすぐにその方へ宛てた御礼状を作成し、店に現れたら渡しておくようにと伝え、親に託した。 店を続けて、一生懸命働いてきたことが、まさかこんな形で報われるだなんて夢にも思わなかった。 感謝しつつ、前にも進まなければならない。 私にはこれから裁判という大きな戦いが待っている。 裁判にはそう、弁護士を雇わなければ。 まずは適切な人材を探すことにしよう。 続いちゃうようだ。
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