第1章、豚小屋生活

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豚小屋生活4日目 昨日は、大量のドライアイスが溶けて酸素不足に陥り、医務室に担ぎ込まれていたので日記の更新ができなかった。 親からもらった差し入れで命を落とすなんて、シャレにならない。 一命をとりとめ、留置所へ戻る。 今日もたくさんの差し入れを頂いたのだが、いつもと違った部分があった。 「ごんごん!」 差し入れでちらかってきた部屋でも鳴り響くほどの、たくましいノック音。 振り返れば、大柄でヒゲの濃い看守が扉の前に立っていた。 「Здравствуйте!!」 ん? ロシア語。 実はロシアには以前行ったことがあるので多少わかる。 新たな看守はロシア人かな… 「Я вас принесла передачу!!」 差し入れを持ってきた。と、えらいハイテンションで言っている。 手渡されたのは、ひときわ大きな段ボール。 お、重い…、、、 ドォーン! 耐え切れず、人様から頂いたものをおっことしてしまった。 ヤバイ。 恐る恐る中を覗いてみると… 失神したたっぷさんが入っていた こっこれは…。 私を驚かすために、わざわざ体を張ったつもりなのか。 はたまた誰かに無理矢理詰め込まれたのか。 いずれにしろ、段ボールに人間が詰め込まれているというのに放り込んでくるとは、ほんとうにこの留置所、どうかしている…。 とりあえず、「スパシーバ」 大柄なロシア人は笑っている。 しゃべる魚が物珍しいのかもしれない。 仕事を終えたロシア人も、中国人同様、名札をかけていた。 ミマモルノフ… またダジャレオチだ… つづきます。 ごめんね、たっぷさん。
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