第1章、豚小屋生活

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豚小屋生活5日目 恐れていた事態が起こってしまった。 「ダンダン!!」 朝、扉を叩く激しい音で目を覚ます。 扉の小窓ごしに見えるのは、例によってあの凸凹コンビの看守。 眠い目をこすって、扉を開くと、何やら手に持っている。 「これは…、まさか…!!」 眠気が一気に覚めた。 なんと、中国人の手にはハサミ。 ロシア人はバリカンを持っている。 「テメェの髪やヒゲが長すぎるから切ってやるよ」 そうロシア人が言っている。 朝っぱらからなんてことだ。 知っている人もいるかもしれないが、私の立派なヒゲのように見えるもの。 実はあれ、赤身だ。 身を削られてはたまらない。 私も必死で抵抗する。 「ちょっと待って!これはヒゲではない。赤身なんです!!」 そんな講釈を聞き入れてもらえるわけもなく、ロシア人の強烈な腕力と体臭の前に私ははがいじめにされ、中国人のハサミが私の体へと伸びる。 金属の冷たい感触が、終わりを感じさせる。 そして… 「ジョキっ」 ぎゃぁぁぁああぁぁ……
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