誰か止めて

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5分前、∞(エンドレスナイン)の勝利で幕を閉じたはずなのだが、彼らの破壊行為は止まっていなかった。 銀の巨人は火力をあげ全てを焼きつくしていく。 リリスのストライクボウリングに、雪月と瑛太も加わり敗走兵の殲滅を行う。 リリスは翡翠色の閃光をあげ、 ストライク。 瑛太は、 「もう終わった、俺達の負けだからマジで」 と敵の制止に、 「そんな古い手に乗るか」 と、拳を振り抜く。先端から黄色い閃光がほとばしり、 ストライク。 未来は、前方から出現させた巨大ハンマーを担ぎ、空に波紋を残して翔け昇る。 10mに達した所で一回転、逃げ惑う群集に突貫。 クラッシャーした。 新競技、クラッシャーボウリング誕生の瞬間であった。 嶺人が目を覚ますと予想どうり、澄みわたる星空が目に入る。 しかし、何かしっくりこなかった。 空が広すぎる。 身を起こすと、その答えにすぐに気づく。 学園がなかった。 辺りは、灰塵とかし塵ひとつ残さず、消失していた。 嶺人が目覚めたのに気づいた雪月が側にやって来た。 上目使いで嶺人に迫り、言った。 「ねぇ、嶺人。私アイス食べたい、買って来て」 後ろをチラチラ見ながら胸板にのの字を書き雪月は甘えてくる。 雪月の視線を追うと、百合の二人が親指を立て、『Good Luck』と言っていた。 嶺人は逃げようとするが、復元したばかりの体に激痛が走り、顔を歪めた。 それを見た雪月が納得顔で、Dのラベルの入った容器を取り出し嶺人に無理矢理飲ます。 「ファっ、ゴフっ」 嶺人は吐血し、雪月を呪った。 いい加減にしろ。
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