1人が本棚に入れています
本棚に追加
教師に裏取引の現場を押さえられた雪月達の議題は教員会議にかけられた。
「じゃ、アイスは私達の分も、ということで異論はありませんね」
全員が躊躇いなく頷く。
「では、部室の件だがこれはなしの方向で」
「いや、待ってください」
一人の教師が遮り、集まるように促す。
「いっその事…………で、あれして……生徒からの苦情をいっそ」
教師達は円陣を組み怪しい笑みを浮かべた。
目には不気味な光が皆、宿っている。
審議の結果を待つ雪月の所に取引を発見した女教師が来て、
「雪月さん、準備しときなさい。面白くなるわよ」
大事なことは何も言わず不気味な笑いを残して去っていった。
数刻後、調子外れな放送が流れる。
「ピンポンパ~ンポ~ン。全校生徒のみんな~、いきなりだけどイベントはっじめるよ~。詳しくは代表生徒に聞いてね。
ルールは色んな場所にあるから確認してね」
全校生徒が吐き気をもようした。それも当然、先の放送の主は60歳を越える老婆だった。
嶺人はルールを観て絶句した。
あれ、これ、標的俺じゃね?
それが何度観ても嶺人が至る心境だった。
最初のコメントを投稿しよう!