1章

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気がつくと目の前まで少女がやってきて口を開いた。 「昨晩、ここを通りませんでしたか」 「通りましたけど、なにか探し物ですか」 「えぇ、昨日お守りを落としてしまって黒い羽根なんですけど見ませんでしたか」 確かに昨晩見たような気もするがあれは消えてしまった。 「昨晩見ましたよ、触ったらすぐに消えてしまったから白昼夢だと思いますが」 少し、ふざけた返答をすると、少女は笑いながらこう返してきた。 「あなたが見つけた羽根はきっと魔法か何かですよ」 そう言うと少女は走り去って行った。 ◆   ◆   ◆ 「あの人を見張っておいてください」 少女は脇道に入るとそこにいた女性に話しかける。 「報酬は…そうですね、今晩の夕飯にから揚げでもつけてあげますよ」 すると、女性が抱いていた鴉が飛び立っていった。
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