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「え~、であるからして
我が高の伝統のある…」
教頭の話が続いている
教頭の話は
自分に酔いしれているのか
無駄に長くて有名だ
バンッッ!!!
源次は勢いよく、
入学式をしている
体育館のドアを開け放った
周りの視線は自然と
源次にうつる
「なっはっはっ
遅刻しちまったよ、
なんだよ、まだ教頭の
ありがた~い長い話の
途中かぁ、まぁいいや」
源次は周りの視線を
気にすることなく
信貴の隣の席へ腰をおろした。
周りでは
「またあのデクノボウだよ」とか
「相変わらずアホだな~」
とか言われているが
源次は全く気にしていない
教頭は自分の至福の時間である
ありがたい話を邪魔されて
ふるふると奮えている……。
教頭の残り少ない髪の毛が
名残惜しそうに
ひらひらと床に抜け落ちていった
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