始まり

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始まり

綾「ふー」 道場内に響く竹刀特有の軽やかな音を聞きながら、被っていた防具を脱ぐ 綾「いくら冬って言っても防具を着けてるとやっぱり蒸れるなぁ😵」 翔「本当だな。頭から湯気が出てるよ」 綾「うわっ⁉」 翔「よっ、綾おひさ~」 綾「お、おひさじゃねーよ、いきなり湧いて出んな」 翔「いきなりではないよ、ずっとここにいたよ」 綾「Σ( ̄◇ ̄*)マジか?きずかなかった」 翔「女の子叩くのに熱中してたらアカンで~五十嵐サド左右衛門」 綾「どうでもいいよ、何しに来たんだ⁉」 翔「綾、忘れてんな」 綾「忘れる⁉」 翔「冬休みに入る前に理事長から全校生徒に向けて宿題が出ただろうが」 綾「宿題?…あー」 綾「そういや一緒に行こうって話をしてたっけ」 翔「思い出したか。…今から行かないか、と、思うんだけど」 綾「んで俺を呼びに来たのか。…練習終わるからいいよ」 言いながら、傍らに置いていた道具を片付ける。 綾「それにしてもえらく急に思い立ったな。いつ行くか決めてなかったのに」 翔「ま、ついでだよ」 綾「ついで―?何のついでだよ?」 翔「で・ぇ・と🎵に決まっとるだろ🎵」 綾「…チッ」 翔「ムフフーッ❗そう言う事だから、早く着替えて来てな🎵」 綾「はぁ…わぁーったよ❗」 幸せ一杯夢一杯な翔の笑みに、何だか負けたような気がした俺は、吐き捨てるように返事をしたあと背を向けた
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