動き始める歯車

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「えっ? 春斗君のご両親はサラリーマンのお父様と専業主婦のお母様があるってきいていたけれど……?」 「ええ、父と母は居ます でも血は繋がってないんです 僕、孤児院出なので……」 そう、僕の母さんと父さんが死んだのは僕が幼稚園の時で僕の親戚は誰もが生活に苦しく引き取れる人が誰も居なかった そんな中僕の母さんがお世話になっていた教会のシスターが僕を引き取ってくれた それからは僕は教会の孤児院で他の孤児の子供達と生活を送っていた 孤児院での生活に慣れ始めた頃一組の夫婦がやってきた それが僕の今の父と母だ 母が悪性の子宮筋腫になり、その影響でなのか子供の出来ない体になってしまった そのためどうしても子供が欲しい父と母は教会の孤児院に赴き、孤児の里親になりに来たと言うことらしかった 「この子の目綺麗ね」 母は僕の目を見てそういうと優しく抱きしめてくれた 母は優しく髪を撫でてそっと僕に耳打ちした 「これから私をお母さんにしてくれる?」 その頃僕らの孤児院はお金に困っていた 孤児院から貰われて行った子供達が大人になりお金を送ってくれていた様だが僕たち子供は成長期に差し掛かり沢山の量の食べ物を摂取するようになる そのことにシスターが自分の小さな部屋で頭を抱えて居たのを何度も僕は見ている 僕はこれ以上教会に…… シスターに迷惑はかけられないと思った その日、僕は一つの選択をした 「うん、お母さん……」 僕はそう言って母の首に手を回して優しく抱き着いた 僕はその日、父と母の子供となることを選択した
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