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「えっと、お邪魔します」
僕と先輩は今、美沢遥の仕事場に来ていた
あれからようやく涙止まった僕はとりあえず明日から僕の担当になるという先輩と話しをすることにした
「あぁ、このスリッパ使ってください」
僕は先輩にうさぎ耳の付いたスリッパを履いてもらう事にした
これはファンの人が僕に送ってくれたものだ
どうやら贈り主さんは美沢遥がとても可愛い物好きと思っているらしい……
まぁ、実際一般的に可愛いとされているものは基本好きではある
「うわぁ、かわいい」
どうやら先輩も普通に可愛いものは好きなようだ
玄関先で靴も脱がずに正座のような形でうさぎ耳スリッパを愛おしそうに撫でていた
そんな先輩に
「先輩の方が何倍も可愛いですっ!!」
と全力で心の中で叫びました
事実可愛いものを愛でる先輩の笑顔は僕の心をいとも簡単に射止めてしまう
でも流石にこうやって可愛いものを愛でる先輩を見るのも良いが本来の話しをしなければならない
すごく残念ではあるが……
「じゃあ、先輩どうぞ奥へ……」
「あっ、うん」
先輩はうさぎ耳スリッパを愛でるのを止めると、そのスリッパを申し訳なさそうに履いて僕の書斎へと歩を進めた
「どうぞ」
僕は書斎のドアノブを回し先輩を招き入れる
「う、うん……」
先輩は何故か少し緊張した趣で僕の書斎、美沢遥の書斎に足を踏み入れた
僕の書斎は基本は大きい机と椅子に担当だったミキさんに座って貰うために用意してもらったソファがあるだけの部屋で、他にはなにもない広い部屋になっている
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