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その後、スキを突いて、ようやく地上へ降りる事が出来た男の子は、いまだ目の前で、獲物を狙う肉食獣の様な目で見つめる、背の高い女性に向かって……
精一杯、大きな声で、威嚇する様に叫んだ。
「お、お前っ!今度逢ったら、ただじゃおかないからなっ!憶えてろっ!」
すると、その女性は、手をワキワキとさせながら、微妙に距離を縮めつつ答える。
「あらぁ?今じゃなくっても良いのぉ?クラスが違っちゃってたら、そっちが先に忘れちゃうんじゃない?」
その言葉に、男の子が、はっと息を呑む。
「……って、ことは……」
「そ・う・よ♪私も、ここに入学するの♪今年の春から、ね?よろしく♪小・さ・な・同学年さんっ♪」
そう、言うが早いか、その女性は、とてもそうとは思えない身のこなしで男の子に近づいた。
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