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「……なんだよ。なんか文句でもあるのか?なら、女だからって容赦しないぜ?」
そう言ってにらむ寧耶に、その女性は、手をヒラヒラさせながら、軽くあしらう様に答える。
「あ~、はいはい。あたしだって、こんなちっこい子を泣かせて喜ぶほど、大人気ない性格はしてませんよぉ?」
「なっ!なんだとぉ!?って、おいこら!言うだけ言って、話の途中で、勝手にどこか行くんじゃねぇ!」
寧耶に背を向け、歩き出した女性に向かって、寧耶が大声で怒鳴る。
「そんな事言ったって、あたしのクラス、隣だもん。早く戻らなきゃ。
それじゃ、ね?ばいば~い♪」
「あっ!ま、待ちやがれ!せめて名乗ってから……」
そう言って、寧耶が去っていく女性の背中に手を伸ばすと、その手がぎゅっと握られた。
「なっ!?は、放せぇっ!」
「彼女の名前は、ね?宇佐美 美佐(うさみ みさ)ちゃん。私の、中学時代からのお友達だよ。
……なに?寧耶くん、美佐ちゃんの事、気になるの?」
そう言って手を握る瑠奈の顔は、頬を膨らませていて、なぜか怒っている様だった。
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