その戦力差……未知数

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  「気になるとか、そう言うんじゃねぇよ!ってか、お前も、あんまり俺に近づくなよな!    ……俺が、余計に小さく見えるだろ……」    そう言って、瑠奈から顔をそむける寧耶。    その姿を見て、瑠奈は寧耶を、まるでぬいぐるみか何かのごとく軽々と抱き上げ、そのまま抱きしめた。     「んきゃぁ~!可愛い~♪」     「なっ!ば、ばか!抱きつくなっ!」      そんな寧耶の事を、男子生徒の大半が、うらやましそうに見つめていた。    他の女子生徒は、と言うと……。     「あの瀬賀くんって、けっこう可愛いよねぇ?」     「うんうん。私も思ってたぁ。だけど、あの人、高杉さんだっけ?    あんな人が近くにいたら、瀬賀くんに近づけないよねぇ?」    などと、声を潜めて話し合うばかりだった。     「ってか、誰か、助けてくれぇっ!」    その後、寧耶は 『入学式のため、生徒は体育館に集まるように』 と言う校内放送により……    ようやく、瑠奈のハグから逃れる事が出来たのだった。  
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